経済・政治・国際

混迷する世界経済と日本の行く末

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[ パリ / ベルサイュ宮殿の開門を待つ観光客 ]

ギリシャ問題がまたおかしくなってきました。

ギリシャにてパパンドレウ首相が内閣の信任を国民投票で問い、ギリシャの欧州連合(EU)などの支援策受け入れの是非を国民投票で問うと表明したことを受け、ヨーロッパではこうしたパパンドレウ首相のやり方に非難を浴びせている。

しかし、民主主義国家としては、こうした重大な国民生活に影響を及ぼす決断は、国民の信任を問うというのが正しいはずなのにこれを止めさせる方向に周囲、そして国内でも動きがある。

おかしいことですね。

もう、ギリシャは国家としての機能をしていないのかもしれない。ユーロ圏においては、経済を機軸にした団結で経済活動を活発にしてそれぞれの国家が共に繁栄することを願っていたはずなのに、破綻をきたすような事態に陥っているから皮肉なものです。

経済において一緒に行動するということが、繁栄に至るとは限らないということを証明したようなものかもしれません。

志は同じように見えたかもしれませんが、それぞれの国の国民性や経済事情がまったく違うのに一律に統一していくという行為が矛盾を生みそれが次第に膨らんで行ったということでしょう。

日本も、TPP (環太平洋経済協定)で揉めに揉めている。

日本農業の破壊であるとか、米国の陰謀であるとか、反対派の論客も多く、賛成派は、関税の撤廃で輸出が期待できるとしているようですが、そうした自由貿易が果たした日本国家にとって本当に将来が約束されているかは、誰にもわかっていない。

何故、わからないかと言えば、どういったルールになっていくのかが、決まっていないからですね。

そして、どんな内容なのかも参加しない国には教えてもらえないというのもなんだか変な話です。

だだ突きつけられているのは、参加しないと
環太平洋経済圏から締め出しますよ!という脅しすら感じられますから、とりあえず参加しようということになります。

でも、そうしたグループに入っても必ず、勝ち組と負け組みが出来てしまうのは事実です。日本が負け組みになれば当然それが国民の負担になるのは目に見えています。

でも、考えるに世界の人口はここ数年でかなりの膨張を続け食糧危機が迫っています。そういったことを考えると自給自足の農業という国家戦略が必要なような気がします。

しかし、日本の農業は国が保護しすぎて弱体化して税金でそれを支えているのが現状です。それはとりもなおさず農産物の生産コストの問題によるものが大きく影響しています。

お隣の中国の農産物との価格競争では話になりません。

国民の所得が下落している以上、どんなに品質が良い国内産の農産物でも国民にとっては高嶺の花です。

しかし、食糧不足が深刻になると海外からの輸入コストは高まって、次第に国内の生産物との価格バランスが取れてくる状況になっていくでしょう。

それがいつの日かまだ誰にもわかりません。

気象の長期予想が出来ないのと同じように経済の予想もつかないのがこの世というものですね。

by  大藪光政

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必殺!仕分け人?作業の功罪について。

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                   [  自宅庭園を撮影 ]

最近の話題は、「事業見直しの仕分け作業」をオープンな場所で行って、様々な反響を呼んでいる話です。これは、私もかなり関心を持って、テレビニュースを見ています。

新聞で、「スーパーコンピュータの開発予算の削除」を打ち出したときは、これは、米国の陰謀かと、詮索したくらい国家戦略を危うくする判断だったと思います。

過去、日本は繊維輸出問題で、バーター取引として、何故か?コンピュータのOSである開発中のトロンを中止したことがありますが、これは、日本独自のIT技術による産業振興において、かなりの損失を蒙りました。

マイクロソフト社の寡占化を招いた事は、皆さんご承知の通りです。そんな、過去の状況を振り返って、またか!と思った次第です。これは、危ういと感じましたが、幸いにも多くのノーベール賞受賞者の科学者が、結集して、直接、鳩山総理に談判しましたので、良かったと思います。

このことは、仕分け人にそうした見識がないのに、ただ、目先の成果だけで判断するような、仕分け人が選ばれるとこうした愚かな判定があるということです。

しかし、この仕分けは、決定ではなく、あくまで、ひとつの見解であるということですから、その見解をどう判断するかは、また、財務省と内閣の方で最終結論を出すことになるから、仕分け人には、責任は無いということになります。

つまり、仕分け人の役目は、ある意味で部外者の素人が、一般的な常識で、これはおかしいのでは?という見解を打ち出すという役目が仕事だと思います。

本当に、必要かつ、大切な事業であれば、あとは専門家の意見を再度確認して、判定すればよいのですから、そうした、最終判断こそ、慎重にやって欲しいものです。

今回は、科学技術関連に関しては、迂闊な判定を出しましたが、全体を通しての仕分け人の活躍としては、とても、熱心で良かったと思います。

仕分け人は、一般市民の目線で物を言いますから、専門性が無いのは当たり前です。必要性の無いものや、怪しい事業などが、仕分け人の質問で次々に暴かれている事実を見ていますと、こんなことがまかり通っている国家予算組みが安易に行われていることには、とてもあきれてしまいます。

恐らく、テレビを見ている、ほとんど国民はそう思っているでしょう。そして、「まだまだ、仕分けをやっていない事業に、怪しい事業が沢山隠されているのでは?」と思わざるを得ません。つまり、仕分けをされると困る利権がらみの聖域がまだたくさん残っているのが実情ですから。

今までの、国家の赤字債務は、こうした心なしからぬ税金のつまみ食いだったことが、見えてきます。これらのつまみ食いを確実に仕分けして予算を削減すれば、財政は健全に戻るでしょう。こうしたつまみ食いのおこぼれに寄って集る政治屋もいるでしょう。

つまみ食い予算は、還流して役人や政治家の懐にも入るから予算がすんなり通るのでしょう。でも、それは、過去の話。これに目覚めた国民をもう騙すことは困難です。

だから、つまみ食いをしている人々の財布は、さみしくなり、そうしたつまみ食い経済が萎んでしまいます。すると、日本経済は結果としてどのように変移していくのでしょうか?

もし、そうしたつまみ食いによる消費が日本経済を支えていたとしたら、「経済とは何か?」、「豊かになるということは、どういうことなのか?」という問いかけを国民があらためてしなければなりませんね。

by 大藪光政

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経済が不透明でも、秋はやってくる。

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民主党が、予想通り政権を取ってから、まだ一ヶ月足らずですが、嘗ての野党時代には政権担当能力に乏しいのでは?という国民の予想とは違って、ニュースを見る限り、各閣僚は自信を持って熱心に仕事に取り組んでいるようです。

国民も、意外に頑張っているなあと思っているようですし、徐々にですが、与党らしい姿勢になってきているのがわかります。

しかし、難問の課題が山積みですから、これから、益々力量が試されるに違いありません。

たとえば、国家公務員の天下り問題ですが、これを廃止するといっても、定年制度の見直しと、そうした場合に働けれる職場づくりといった受け皿がないと難しいものがあります。

これは、国家公務員に限らず、地方公務員も同じことが言えます。都道府県、市町村にて仕事をしている幹部の方々は、皆、こうした天下り先を用意してもらっていますから、そうした行き場所を無くしていくということは、公務員職の魅力を無くし、優秀な人材確保にも悪影響が出るかもしれません。

あちらが立てば、こちらが立たずという状況になるわけですが、そこは、無い知恵を民主党は出さねばならないでしょう。そうでないと、政権交代しても結局同じ繰り返しになるだけです。

高速道路無料化の問題も色々と含みがあります。新聞では、フェリー会社が倒産する事態になった原因が、この影響のように書かれていますが、もともと、過去より大きな負債があったのですから、つい最近の無料化が原因であるかのように書き立てるのは、少しおかしい気がします。

バス会社も同じようなことをいっていますが、これも、少し怪しい、もともと不況で乗客が減っていることや、嘗ての燃料費高騰時の影響の方が大きいのではないでしょうか?トータルとして国民経済にメリットがあると判断したから、民主党は高速道路無料化をマニフェストに掲げたのでしょうから、段階的に、早い時期から着手すべきだと思います。

ところで、国民新党の亀井大臣の方は、中小企業に対する銀行融資の返済先延ばしを検討していますが、この提案は面白いですが銀行の体力に問題があるかもしれません。でも、中小企業の経営者にとって、この不況の現状からしてみれば、大きな助け舟となるかもしれません。

ただ、いつかは返さなければなりませんから、経営改善努力は、怠ることなく進めないと、終局的には倒産となって、そのつけが国民の税金となって跳ね返ってくるでしょう。まだまだ、円高が進み、景気の回復が遅い状況では、亀井大臣のこの提案は、妙薬かもしれませんが、効き目のほどと、正しい処方箋を出さないと危ないことになります。でも、新政権ならではの検討だと思います。

国際的なところでは、やはり、自衛隊の活動範疇の問題と、日本のなすべき役割ですが、国連に多額の税金をつぎ込んでいるのに、常任理事国にも成れないところに大きな問題があるので、これも、鳩山総理の頑張りどころだと思います。

前原国土交通大臣は、八ッ場ダムをはじめとして各地を精力的に廻って頑張っていますから、岡田外務大臣も、この常任理事国入りをなんとか実現して欲しいと思います。それが出来たらすごいことだと思います。

選挙で大敗した自由民主党は、谷垣総裁を擁立しましたが、やはり、自由民主党の古株は、国民の空気が読めていないなあ~と感じます。体制批判をした河野太郎氏が総裁になっていれば、少しは、国民が振り向くとは思ったのですが、これでは、参議議員選挙は難しい。民主党がへまをするか、閣僚でのゴシップ事件でも起きないと勝てないでしょう。このままでは、選挙の結果がこんどは大敗 ⇒ 退廃になってしまうでしょう。

自由民主党は、しばらく、野党生活をして、革新政党に脱皮しないと難しいでしょう。そうこうしているうちに、徐々にですが、秋の侘しさと寒さに気付くことになるでしょう。それも、党の歴史から見て良い経験になるかもしれません。

by 大藪光政

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自由民主党が下野した日・・・

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もう、九月に入りましたね。日中は、日差しが強いですが、夕刻になると涼しくなります。近くの公園では、コスモスが咲き誇っています。これから、行楽日和になっていきますね。

さて、日曜日の選挙の結果は大方の予想通り民主党の大勝利でした。マスコミは、いち早くこうした情勢をアンケート調査方式でそうなるだろうと想定していましたが、それでも、自民の幹部にはそうした認識に欠けていたところがあります。

選挙も後半になって、ようやく、気付き始めたが時はすでに遅し、昨年からこうした世間の雲行きを掴めることが出来たはずだが、どうも、空気が読めない高齢者ばかりでしたね。若者用語でいくと 『KY』 ですね。

自民党が、嫌われ始めたのはそうした空気が読めない幹部とやはり役人に対する改革に手をつけない体質でしょう。それと、公明党との連立を嫌う方もおられるようです。憲法に触れる政教分離問題にも不満を持っておられる方が多くおられると聞きます。

公明党の場合は、確かに宗教団体と政治団体が組織上分離していますが、選挙になると創価学会との密接な関係があるのは国民の多くの人が知っています。それを良しとしない方が多いのと、自民党自身にも神道とか、仏教関係とのお付き合いもありますから、そちらの方からも過去のいきさつで、不満に思っておられるでしょう。神道とか、仏教関係は、他宗教に対して寛容ですが、創価学会はそれを許しません。そこが問題なのでしょう。

その結果、今回の選挙で公明党の大きな敗北と、連立による選挙協力の分裂が各地で見受けられました。また、今回、全国で新興宗教団体が数多く立候補されましたが、露骨に宗教団体が政治に関与することを不気味に思う多くの国民が政教一体を嫌うところとなったようです。これも、公明党としては、大きな敗因となったようです。

さて、与党になった鳩山政権がどういった行動をとるのか?それが楽しみです。知行合一でないと、次の参議院選挙は、今度は民主が大敗するでしょう。

どうやら、このWeb2.0の時代において、団塊の世代が定年退職することで、組織から離脱することを象徴するように組織票という縛られた観念が消えていったという風に感じられます。これも、自民大敗の要因のひとつでしょう。

2009年8月30日の日は、国民の独立記念日になった感があります。駄目な政党は、選挙で落とす!これは恐らく小泉政権が大勝したときから始まったようです。

自民党の派閥の領袖も惨敗ですから、もう、派閥も通用しなくなるかもしれませんね。

情報公開が当たり前となり、それに対して様々な意見が自由に飛び回って、国民の意思が選挙にて反映される・・・そんな時代です。それに対して政党はスピードで対応できないと、すぐに与党からはずされる。

そうした、シビアな国民に対してニンジンをぶら下げて何とか得票を得るという目先の対応では、恐らく、政党自体が壊滅することも十分ありえそうです。

大切なのは、これからの生活が厳しくなっても、やはり政党は将来を見据えた王道を駆けて行って欲しいですね。

by 大藪光政

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衆議院議員の選挙後はどうなる?日本の政治と政策。

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衆議院の選挙が後、一ヶ月足らずになりましたが、各政党のマニフェストが、出揃って来る頃となりました。自由民主党は、今日、出すことになっているようです。

こうした、政権公約案を有権者が評価して投票に出向くことは良いことだとは思いますが、こうした政権公約案を出すタイミングもまちまちである。

早めに出した方が、負けになるという不利な条件を解消する為にも、今後、こうしたマニフェストを出すやり方のルールづくりもやるべきかなと思う。

やはり、解散後、何日目に提出することや、また、その履行に関しても法律的に詐欺的なものを罰するぐらいの厳しさをつけて欲しい。

国民の税金でもって、国会議員と政党に莫大な出金をしているのだから、もう、そろそろ無責任な議員や政党を国政選挙から締め出すぐらいの法的規制をかけて欲しい。

でも、それらのルール作りや、法案を議会に出すのも通すのも議員や政党の思惑次第だから、そう簡単には自分たちに不利になることはしないでしょう。

でも、マスコミと国民の要求があれば、こうしたことも選挙の時に・・・それこそ、マニフェストに取り上げれば良いのにと思う。

一番大切なことは、不特定多数の国民の意思が政治に反映して、それが行政において、粛々と実行されることだと思う。

民主党も、二大政党として、もっと、しっかりして欲しいのは、自分たちの理念が政権をとる前と取った後で、ぶれない事を肝に銘じて欲しい。せっかく、国民の請託を受けていながら、豹変されては一票を投じた有権者は怒るだろう。

国民のもっとも関心があるのは、年金などの老後の生活保障だろう。もっとも難しいのは、年金不払い者に対しても一律の最低年金を保障するという課題だと思う。これは、年金不払い者に対して手厚い保障をすればするほど、今まで真面目に支払った者との給付格差が縮まる。

そうなると、もはや、年金を払わずに済ませてしまう不払い者の増加に繋がる。この解決は、やはり、給与天引きではなく、すべてを消費税からの徴収にしてしまう方がすっきりしている。

しかし、それでも、問題がある。消費税の未納企業の存在だ、払うべき義務を持っている企業の国への未払いがあれば、ここでまた不公平が残る。本当に困ったものだ。

本当は、年金よりももっと大切なマニフェストに載せて欲しいものがある。それは、莫大な借金をどうやって解決するのか?ということだ。何故、これを一番に掲げないのか不思議でたまらない。

そのうち誰かが解決してくれるだろうなどと、誰しもが思っているのだろう。不況だから誰しも、実在しないお金を乱発しても黙っている。乱発したから景気が良くなるわけではない。どこかへ消えていくだけだ。いや、ちゃんと国の借金としての数字で残っている。

国民が、目先のことを考えているとき、政治家がその近未来に向けてそうした負債を子々孫々に残さないように手を打つべきなのに、今は目先の一票を得る為に、そうした浅はかな国民の視線を如何に誘導しょうかとだけ考えている。

だから、政治家ではなく、政治屋なのだろう。

将来を達観して行動する政治家はいないのだろうか?

仮に民主党が大勝しても、今度は野党になる自由民主党が、民主党の足を引っ張って何でも反対するかもしれない。

要は、真の政策は置き去りにされて、ただの利権争いにはならないだろうか?

真の政策は、税制の抜本改革と生活保障の一本化だろう。それと、所得格差社会を是正する政策が必要である。そのことで犯罪抑止や自殺者の低減を図ることだと思う。

景気回復には、戦略的経済の建て直しが必要だろう。それは、中国や韓国の工業技術との競争に打ち勝つ為にも、エネルギーに対する高度な技術を如何に世界に先んじて、開発し、高度な生産技術をもってして低コストの製品を生み出し、世界シェアを確保するかに掛かっている。これらは、国家戦略に則ってこれらに取り組まないと、民間企業だけではいつの日にか、日本は、中国の下で生きることになるだろう。

中国は、共産主義国と言う便宜性を武器に、政府主導で国家戦略に則って、世界を相手に急速にシェアを確保していくだろう。

中国が、韓国や日本を科学技術においてもすべてを凌ぐ可能性を秘めているのは、否めない。ただ、『自由』という障壁があるかぎり、その速度は遅いであろう。

もし、仮に中国が自由民主主義の国家に生まれ変わったとしたら、あっという間に、日本を出し抜いてすべてにおいて世界ナンバーワンの国家に生まれ変わるだろう。

そういう意味で、中国が共産国家であり続けて欲しいと願うのは、浅はかな思いなのだが、いつかは、中国にもそんな時代がやってくるに違いない。

そんなとき、日本はどうする?

by 大藪光政

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"実体経済”という言葉が使われる世の中について思うこと・・・

 005_6                                                          アメリカ経済が、バーチャルな信用取引で壊滅的な打撃を蒙り、株価の下落とともに、直接的な、サブプライム問題による損害が左程、日本の金融機関に無かったとはいえ、“日本の実体経済”がおかしくなっていくのは確実といわれています。

今まで、こうした実体経済という言葉が、流行らなかったのに、昨今ではテレビのニュース解説者がしきりにこういった文言を述べています。

資本主義体制の経済において、こうした実体経済という言葉があるということは・・・虚体経済という言葉は無いので、虚栄経済と表現した場合、そうしたものがあることを指します。

虚栄経済という言葉を解釈すると、嘘でつくられた経済発展というべき意味合いとして用いることができます。

でも、戦勝国の立派な自由主義先進国アメリカがそうした嘘を基にした倫理性に欠けるマーケットを政府が認めるはずがありません。

どこで、歯車が狂ったのか?

それは、とどのつまり、商取引における中身で、信用取引という落とし穴でのトラブルが発端ですから、原因は『 信用=嘘 』というからくりが、そこに当然あるのです。

昔から日本の商取引には、約束手形という、信用取引の型があります。これは、信用上相手の手元に現金が無くても、「後決済でいいよ。」という商慣習でもあります。

でも、不渡りを摑まされて、泣きを見るのは、今更始まったことではありません。つまり、日常茶飯事なのです。商売をやるものは、そのリスクを知りつつ、わきまえてやるのが常識となっています。その約束手形で、日本経済が危機に陥ったということは今までありません。融資とは少し違います。

手形には、裏書という手法で、企業間を回り渡りますが、ある意味で、限定的なものであって、決済も明確ですし、不渡りになると、不渡りを出した企業は、金融機関から締め出しをくらいますから、企業活動に支障をきたします。多くは、不渡りで、信用を無くし、倒産ということになります。

そうしてみますと、同じ信用取引でも、きちんとした明確な確証がとれ、リスクを認識しての商取引ですし、取引エリアがかなり限定的な閉ループになっていますので、これが日本経済を揺らがすことはありえません。

但し、大手企業倒産の場合は、不渡手形による連鎖倒産が続出しますから、社会不安を引き起こすこともありえます。

今回問題になっている融資の連鎖焦げ付きは、信用金融商品に、信用の実体が無いということでしょう。焦げ付く可能性を隠すように、企業の格付けブランドだけで、信用させる複合パッケージ金融商品的なものを創出して、お金がお金を生むことをやりだしたことです。

実体が無いということは、そこには生産性なるものが無いということです。信用というバーチャルな価値を商品化して、お金を紡ぎ出した虚栄の繁栄、それが虚栄経済です。

でも、畢竟、そのつけを支払うのは、一般の人々です。

政府は、経済対策として、五兆円規模の支出を検討しています。国民に直接ばら撒くお金もその中に入っています。でも、地方を入れると1000兆円もの隠し借金があるのに、まだやるのか?といった疑問を残します。

大恐慌になってからでは、遅いと脅されると、なんだか野党も反対しづらいでしょう。お金が返せないのに、闇雲に借金を重ねる・・・そのつけは、最終的には国民が負う。ということを忘れてはいけないのですが・・・。それと、日本の信用が失われた時は、国債の金利を上げないことには、誰も買ってくれなくなりますから、そうなると、本当の破局が起こりますね。つまり、膨大な借金の金利で苦しむことになりますから・・・。

日本もある意味で、こんなに膨大な借金で経済が成り立っているのだから、虚栄経済といわざるを得ないと思います。

でも、どなたも、今日の日本経済を虚栄経済という言う方はおられないでしょう。

それは、日々の自分の生活に実体感があり、自分は真面目に働いていると確信されているからです。しかし、ある日突然、そのつけが国民に回りだした時に、初めて、過去の虚栄経済の存在に気付くのでしょう。

しかし、多くの齢相応の方は、ご自分の寿命を計算して・・・その頃には、もうこの世にいないよ・・・と、安堵されているでしょう。

by 大藪光政

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偽装による経済激動の中で普遍なものを求めて・・・

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夏が終えてからというもの、次々にとんでもないニュースが飛び交いだしました。

最初は、事故米事件です。気が付いたときには、多くの国民は、汚染された輸入米を口にしていたというありえない話です。

この事件の不思議さは、『言葉』にあります。この『事故米』と言う言葉、どう考えても不思議な言葉ですね。これは農水省が作った言葉です。

一般的に、事故といえば、人間がやらかした事故を指します。自然であれば、災害ですね。つまり、この『事故米』は、人間がやらかしたトラブルということでしょうか?実際の、内容は、農薬の汚染やカビによる不良米です。

であれば、マスコミが使っている『汚染米』の方が、庶民にはわかりやすいというものです。これをあえて『事故米』と言っている農水省は、どうも、問題米の出所を曖昧にしているところがありますね。

もし、『汚染米』と言った言葉を使っていれば、業者も少しは、これを食料としてのルートに横流しするのをためらったかもしれません。

これが、『事故米』というレッテルであるが故に、事故だから仕方が無い、使えるものは使わないともったいない・・・などと思っていた・・・いや、そういう風に、良心の呵責から逃げていたのかもしれません。

だから、この『事故米』を食料用として転化して偽装してルートに流す以前に、すでに、国によって、言葉の偽装が為されていたのです。

もし農水省が、『事故米』と言う言葉でなく、『汚染米』と言う言葉を使っていたならば、当然、輸入されたものを該当の輸入先の国に返品すべき内容となりますから、その処置をとれば、日本国内に出回ることも無かったはずです。

でも、何故か?返品せずに、国内でなんとか処分しょうとしていたことが、一般国民として合点がいきません。何か、国と国との裏取引があるのでしょうか?つまり、わかっていても返すに返せない何かが・・・あるのでは?と疑いたくなります。

普通、一般常識で言えば、輸入した段階で、農薬汚染や、船積みでのカビなどの陸揚げのお米は、検査ですぐにわかっているはずです。それを、わざわざ、『事故米』という言葉で、国内にて、たとえ工業用に転用するにしても、そんな不良品を使うなどと、考えただけでも、おかしい話です。もし、それでも引き取るとしたら、価格は、もっと低く見積もって買い入れるべきでしょう。そんなことは為されたのでしょうか?

なんだか、やっかいな米を輸入して税金の無駄遣いをしている気がします。日本国内の米の価格を守る為に、こんなにまでして、国は莫迦なことをしているのでしょうか?

まったく知らないで、原材料に混入した為に、今まで築いたブランドを台無しにされた酒蔵のメーカーは、この憤りをどこにぶつけたらよいのでしょう。これはもう、国家賠償のレベルになっていると思います。諸悪の根源は、農水省にありますから。

農水省の大臣も、言葉の発言に問題のある人です。でも、農水省はその大臣が就任する以前にやらかしていたことですから、着任大臣の責任というよりも、農水省の体質と言った方が正しいでしょう。で、今度お辞めになった大臣は、やはり、類は類を呼ぶで、同じ体質の大臣が着任して・・・失言を繰り返して・・・退任となったようです。

今度の石破大臣は、元防衛大臣でしたが、この方は、お話をされるときは、一言、一言、区切って話される面白い特徴があります。失言は余り聞きません。

農林水産大臣に就任してからは、かなり精力的に、現場に出向いて仕事をされているようです。そして、酒蔵のメーカーに陳謝しに行かれたようです。

石破大臣は、テレビにもよく出られるので、知名度も高いから、せっかくだから、そうした迷惑をお掛けしたメーカーさんの商品に対しての信用度回復のために、リップサービスとして、そうした企業の信用回復PRの旗振り役ぐらいは、やってもらいたいものですね。

さて、話は海外に飛びますが、今アメリカで起こっている、信用不安から発した大手金融業界の倒産、あるいは資金の行き詰まりは、サブプライムローンから端を発していますが、なんといっても、信用取引における金融バブルの崩壊といった感がします。

信用貸しによる投機でのマネーゲームでの破産でしょう。もともと、この仕組みで、先物取引などでは、原油の高騰にも悪影響を及ぼしてきました。そのマネーゲームのつけを、米国民の税金で決着をつけようとしましたが、議会の猛反発で、混迷しています。

このままでは、ドルが暴落して、円高となり、日本の輸出企業は、厳しい生産調整を強いられるかもしれません。過去のバブルから立ち直った日本の金融機関は、ここぞとばかり、アメリカ企業の経営に参入、或いは買い取に着手していますが、まだ、アメリカの状況は予断を許しません。

日本も国と地方で、厳密には1,000兆円の負債があるので、日本の信用不安が海外で起きれば、大変なことになるのは確実です。

こうした、お金が無いのに、消費したり、お金を借りたりするのは、ビッグな偽装です。これらもやがて、清算をしなければいけなくなる、行き詰まりの時期が必ずくるでしょう。

その時は、もうこの世にいないから・・・と安心していないで・・・次世代の若者が苦労しないように、政治は早く、この決着をうまく導いてもらわないと困りますね。

もう、自民党も、民主党もどちらでもよいから、ちゃんとした偽装でない、立派なマニュフェストで、衆議院選挙に臨んで欲しいです。

でも、補正予算を組んでから後・・・このまま、アメリカの危機が続けば、解散どころではないと思うのですが・・・国の為、臨時休戦して両党が協力してこの国際危機を乗り越えないと大変なことになりますね。

やはり、偽装はどこかで、何時か、綻びるときがやってくるのですね。庶民としては、偽装に惑わされない、普遍的な価値観をもって生きていかないと、そうした事柄に振り回されてしまいます。現前とした普遍的なものを求める気持ちは、人があまりにも虚飾に満ちた世の中から、真の姿を見出そうとしている動機からくるのでしょうか?

そうした現前としたものを見出すような心がけは、やはり哲学を通してつかむしかないと思います。

by  大藪光政

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