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2009年2月

混乱の中から生まれるもの

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もう2月の半ばになっているのに、今月は多忙でついつい起稿するのが後回しになりました。何分、会社役員、企業顧問、特別公務員、公民館館長、文筆活動と仕事を五つも抱えているので大変です。

昨年から企業業績情報は、毎月下方修正ばかりで景気の後退が加速しています。そして、政治は麻生総理の発言で迷走を極めています。国民にとって良い材料はあまりありませんが、何故かガソリン代の値が格安なので運輸関係のお仕事をなされている方は、助かっておられると思います。

経済的には、物価の高騰は見られず、むしろ、消費控えの消費者の心を摑んだビジネス展開が増えて低価格競争が始まっています。これだと、不況下でのデフレ現象になるのかな?という変な感じです。しかし、国民生活はすでに多様化していますのでなんでもありの状況が続くのではと思っております。

私の仕事は、地域の中で多様なジャンルに渡って仕事を展開していますから、鳥瞰的な物の見方ができますので、とても予測判断が効果的に行えます。推測として、ひょっとするとこの生産の大減産から新たな考えを持った人が面白い展開を始めるかもしれません。現在は、混乱進行中ですが人類の知恵でもって何かが生まれてくる予感がします。それは、環境にやさしくスローライフの始まりということもその一つかもしれません。

今、日本人が抱えている問題解決の大きなポイントは、やはり、三島由紀夫氏が国民に突きつけた陽明学の「知行合一」であったと確信しています。自決という手法で三島氏は、最後の訴えを行いましたが、そのとき私は大学生でした。彼の常々の言動からいわんとすることは頭でわかっていても経験的実感で、「やはり、そうか」と、気付くには歳を経て苦渋の思いをする機会が来ないとやはりピンと来ません。

自治会を例にとっても地区の区則の改正や、組織改革を行おうとする時、正直言って誰しも己に降りかかってくる負担に対して、ほとんどの人が猛反発します。しかし、そうしないとうまく地区の運営が廻らなくなり、誰も自治会の長に成り手がないという事態になります。そこであえて改革を実行するとなると、猛烈な弓矢がこの改革を行おうとする者に刺さってきます。

だから、あえてそうしたことをやる人がいません。そして、弓矢を射る者は、決まってそうした役員決めから逃れている何もしたくない者ばかりです。自治会の長を経験した人は、弓を引きません。経験者はその必要性がよくわかっているからです。反対する人は、屁理屈ばかり並べたり、正論ばかり言って決して妥協しません。つまり、言葉だけで潰しに掛かります。そうした口先ばかりの人は決まって行動が伴っていません。困ったものです。

この自治会の問題は基本的な人の考え方と行動の問題であり、眺めてみると会社組織の中でも旧態前な企業でも、こうした問題が実在しています。同様の要因によって企業の改革はなかなか進まないのが実情です。経営者がこれから大変な時代になることを予測して、運営改革を行おうとしても、その新しい取り組みに対して反論ばかりして、代案を提出する者は皆無でしょう。

連中の思惑は、畢竟、今まで通りの慣れた仕事環境を求めるのです。その方が楽でよいからです。でも、それは最終的には経営危機に陥ることになるというのがわからないのです。ぬるま湯に浸かったカエルは、風呂のお湯が高温になるまで、風呂から出ないのと同じで、気が付くと出ようにも出られなくなっていくというのがわからないのです。

要するに、自分のことしか考えない社員が多くいるのです。けれども、経営者はそうは行きません。自分の会社をどうするか?それを考えない経営者はいません。経営が悪化すれば、自分の家や土地を抵当にして借金してでも会社を存続させようと必死になります。

しかし、現在進行中の大不況は世界レベルで進行していますから、そんなに甘くはありません。経営者には覚悟が要ります。ここはひとまず、財力を残して企業を閉じるか?「そんなことは出来ない!」と言って、腹を括って私財を投入してでも頑張るか?二つに一つです。

全社員が一致協力してくれる企業の経営者は、後者でもいいでしょう。だが、不平不満ばかり言って建設的な意見の出ない、改革に協力すらしょうとしない社員を抱えた企業の社長は、悲劇です。だから、そのときは前者を取るべきでしょう。

これは、難しい決断だと思います。それは、人は導き方で一転するからです。そこが、経営者の手腕と言えば手腕ですが、企業が小さければ、小さいほど家族経営的要素が強く、社長の言うことは親の言うことぐらいにしか聞かず、反発する社員ばかりでしょう。

親の言うことは聞かないが他人の言うことには耳を傾ける息子と同じで、そんな時は、社員に対して外部の人が説教するのが一番だと思います。

自治会、企業、地方自治体、そして国、いずれも原点は、自治会という最小単位である市井の意思から起きたものというのを、近頃経験を通して実感の度合いが増してきました。だから、自治会、所謂、町内会みたいな寄り合いを莫迦にしてはいけないと思う次第です。そこが原点なのですから。その原点に立っている人々の考えに対して、「知行合一」という陽明学の教えを説かなければ、いつまで経ってもこの日本は混迷して奈落の底に落ちていくだけのような気がします。最終的負担は、間違いなく、個である住民の一人に掛かってきますから。その覚悟が必要です。これがわかっていないから困ったものです。

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