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2008年12月

九州におけるアメリカ経済影響問題について・・・

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師走の時期となりました。今年のはじめは明るい一年で終わるのかな・・・と思っていましたが、そうもいかないようです。アメリカ経済のビッグな崩壊!その津波の余波をうけるアジアの中の日本、そして、わが、ふるさとの九州経済はいったいどうなるのか?

小生の息子は今年、工学部の四回生でしたので、春先に、息子に、「職に就きたかったら、院に行くよりも、今年、就職を決めた方がいいよ」と教えましたが、「院に行きたい!」といって就職活動はしませんでした。

私の読みとして、この一、二年後に経済的な問題が起きそうな気配を感じ取っていました。そうした意味での忠告でした。過去、バブルがはじけて採用人員を削減した大企業は、人的なバランスの歪による将来の軋みを知っていますから、大企業は慎重な採用控えとなるかと思います。

知能制御工学を専攻している院生にとっては、これしきりの経済問題で就職が困難になるとは考えていません。まあ、様子見でしょう。修士の場合、就職活動は一年目の年末ぐらいから始まりますから、ちょうど、先輩の様子を聞くと、企業とのつながりをもつイベントには、参加者殺到で、かなり真剣なようだといっています。

本人は、来年の末が自分の番になるので、インターンで企業に行ってみようか?とも言っていました。技術革新でどの企業も人材確保は必死ですから、通常だとそこまで、就職に心配は要らないのですが、どうも、雲行きが怪しいようです。

さて、経済余波による大学の就職問題は、そのぐらいにして、九州での影響はどうかといいますと、ご存知のように、トヨタ自動車九州株式会社での大減産については発表の通りで、かなり規模が大きいので、その下にぶら下がっている下請け企業への影響は計り知れません。

九州の自動車関連産業に関して、財団法人九州経済調査会によって今年の10月に「地場企業の自動車産業への新規参入事例研究」と題して、発表されましたが、福岡県だけでも、個社参入企業が13社もあり、底辺は広がりつつありました。

その背景は、車の生産が年間150万台到達に近づいている・・・これは、世界で150万台生産しているのが8ヶ国しかないことからしてもすごいことがわかる。参入企業は、バブルがはじけて建設などのインフラ以外に見当たらなかったところの窮地からの脱出を模索していた。

そこに、この自動車産業のラッシュを迎えることができ、これに乗らない手はないと、決心しての参入だったと思います。しかし、日産の座間工場の閉鎖を教訓にして欲しいところです。この自動車産業は競争も熾烈であり、また、世界経済の影響にも敏感であります。

中小企業が、この自動車産業一本で社の命運を掛けるということは、リスク管理を無視した戦略でもあります。中小企業にとって、受注のバランスとしてのリスク管理をきちんとしていないと、昨年まで、増産、増産の好況から、明日は、突然の受注ストップとなり、倒産の日の目を見ます。

中小企業が細く長く生きるには、やはり、落穂拾いのように、地道にニッチなところでの仕事の確保も大切なのです。しかし、この自動車不況の影響は、下手をしますと、各産業へのドミノ倒しになりかねません。

すでに、そうした関連受注のキャンセルの嵐が吹き始めています。「昨日まで、頻繁に掛かってきた電話が、ばったりと、止まってしまった。まったく仕事が入ってこない。」と、真っ青になっている経営者は、数少なくないのが、現実です。勝負はこれからです。中小企業は、自動車関連だけでなく、全体にわたって、生存競争での淘汰の戦いが始まるのです。

それには、やはり、先見的なものの見方で、戦略と戦術を使って計画的に経営を進めていく必要があります。こうした場合、やはり、急を要しますから、まずは運転資金の確保と、販売戦略着手が必要になってきます。当面持久戦となりますから、資金が必要ですし、販売戦略においては、既存ルートよりも新規マーケットの開拓が大切です。資金は開拓までのつなぎとなります。

もちろん、VA(価値分析)やVE(技術的コストダウン)による社内での追求も大切です。たとえば、HPひとつにしても、外部のHP会社に依存している経費も馬鹿になりません。多くの会社では、五ヶ年間で何と、車一台が買える経費をつぎ込んでいます。それなのに、HPは、その五年間、更新はわずかというのが現状です。直接消費者相手でなければ、IBMビルダーでの社内制作でも十分間に合います。意外と会社が大きくても、そうした節約をされている企業があります。

そうした費用対効果を常日頃、真剣に考える必要があります。恐らく、まだまだ落とせる贅肉が、企業には残っているでしょう。そして、合理化のためには、こうした事態でも、投資することをためらってはいけません。必要とあらば思い切ってやる。そうした姿勢がないと生き残れません。

経営が危機に迫られた時、初めて人は思わぬ能力で持って思考を開始し、思わぬ展開を広げていきます。ただ何もしない経営者には、終末が待っているだけです。

そう考えると、企業にとって、この淘汰の難局は、ひとつのチャンスでもあります。

by  大藪光政

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