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2008年6月

結いのこころを伝える・・・

002_5 気がつくと、六月のメッセージが発信されていませんでした。六月一日が、とても楽しい日曜日でしたので、ついついHPのメッセージを忘れていました。

この日が何故楽しかったか?といいますと、ひとつの試みがうまくいったからです。

地域住民の住まいにある小公園に花を植える美化運動を実施した日が、その日なのです。

全部で9組ある町内会ですが、まあ田舎のようで都会的な雰囲気の街なのです。「隣の人は何する人ぞ?」といった、近所付き合いが少し稀薄な土地柄なのです。

それでも住宅地としての歴史は24年間になりますから、もう隣組の仲は出来ていないといけないのですが・・・・。

依頼先企業の社員を指導するのと同様に、人のこころをつかまないと、いくら一生懸命にやっても、あっち向いてホイですから・・・とくに住民は、はっきりしていますね。

それで、全市一斉の美化運動を利用して、なんとか住民のコミュニケーションを活性化させようと考えたのです。

毎年、この美化運動は名ばかりで、掃除することもなく、近所をうろうろして時間が来たら、「はい、さようなら」での解散でした。それは、もともと住宅街が常日頃、自分の家の前だけは、ごみや草を除去してきれいにされているからです。

でも、全市一斉の美化運動ですから、掃除道具をもってただ時間が過ぎるのを待っている馬鹿なすごし方を毎年繰り返してきていました。習慣とは恐ろしいですね。誰一人これはおかしいと思っていても言わないのです。

それで、こういった悪習と決別するため「小公園に花を植えよう!」という声掛けで住民に訴える行動に出たのです。

でも、最初は大変冷ややかでした。花を植えるのはいいが、後のメンテナンスは誰がやるの?とか、そんな大変なこと・・・年寄りにさせるのか!とか云われて、誰も率先して協力してくれません。その公園の草刈や、木の剪定をしてくれているのは、市の委託業者、すなわち、シルバー人材センターなのです。その方たちは、高齢者ばかりです。しかも、長時間作業されます。言い訳は自分の都合の良いようにするのが、世の常ですね。それですから住民の間でも小公園に花を植えようなんて、そんなムードには至りませんでした。

さて、ここは多くの異業種企業を指導してきた私の腕前を発揮する正念場と考えました。といっても、住民相手は未知の世界です。

まずは、住民がこちらに振り向くためにもメッセージ基盤を作らないといけません。それで、『区長便り』という新聞を毎月、最低二回発行しました。イベントがあったときは、すかさず、速報として追加記事も出しまくりました。

すると、その『区長便り』を読んだ住民から、道で合うと「区長さん!あの区長便りは誰が書いているのですか?」という問いかけが、頻繁に出てきました。

結構、読んでくれていることが後でわかったのです。そしてうれしいことに、「区長便りは面白いので楽しみにしています・・・」と言われることが多く、これだと住民にも区長の気持ちが少しでも伝わってきたかな?と自信にもつながりました。

もちろん、「小公園に花を植えよう!」のキャンペーンもぎりぎりまで紙面で訴えました。その中身には、組長会議で区長がやり込められるシーンも面白おかしく入れました。

孤立無援というか、四面楚歌といいますか・・・とにかく、区長のつらい立場を面白おかしくアピールしました。

そして、そのとき・・・六月一日がやってきたのです。もし、住民の参加が少なかったら・・・そりあ・・・いい笑いものでしょう。当日は分別収集日でもありますし、住民も忙しいのですから、ちょっときびしいかな・・・・。

でも、「案ずるより生むが易し」の格言のとおり、当日は皆さん野良仕事の格好で、鍬とスコップ・・・そして軍手などと花を植える七つ道具を持って駆けつけてくれました。

ところが始まるとすぐに、寄って集って、「区長さん!どこに植えたらよいの?」、「うちの組はどこ?」、「種は誰が持っているの?」、「水は誰がやるの?」、「わしゃ、間違ってよその組をしておったが・・・うちの組はどこにおるのか?」と、質問攻めと、相談攻めに合いました。「おーい組長さん!」といいたくなるほど・・・直接住民に引っ張り回されました。

でも、10分を過ぎますと、次第に静かになって、もくもくと土を耕しあっている光景になり、そして次第に、公園のあちこちから、笑い声が聞こえてきました。

そして、親しい住民からは、「区長さん、もう花が咲きましたばい。」と笑って近づいてきました。

「そうか、もう花が咲いたか!」実は、その花が咲くのを待っていたのです。住民の心の花が咲けばしめたものです。

そして、花が咲いている組に行っては、「さあ写真を撮りますよ!さあ!並んでください、ハイチーズ!」といって写真撮影をして回りました。

なかには、組と組とが花を植える場所の適不適をめぐって言い争っているシーンもありましたが、結局そうした組も最後まで、残って辛抱強く納得のいく作業をしていましたので、お茶を持っていって苦労をねぎらいました。

こうして、すべてが終わり、住民が公園から去った後、公園を点検し、花壇に、名札刺しを付け加え自宅に帰り、シャワーを浴びて、ビールを片手に、その回想にひたった時は、お昼近くになっていました。

昼食を済まして、区長便りの記事作成に取り掛かって、夕方には、新聞を配布しましたから、住民はびっくりしていました。

経営と同じで、人のこころをつかむには、工夫と、タイミングと・・・スピードですね。

「区長さん!昨日はありがとうございました。とても楽しかったです!」と、いつもは無愛想な奥様からそんなお声が掛かったときは・・・ああ、新しい試みをして良かったなあ~と思って、仕事の喜びとは、やはり人と人とのつながりが確認出来たときだなとつくづく思った次第です。

by 大藪光政

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